2009/01/28

今日の本

感動と爆笑の涙の二本立て。

















『わたしは忘れない』
       ヤエル・ハッサン著
前回の代々木での講義で
08年度は戦争ものではナチスが多かったと聞き
早速図書館で取り寄せ。

アウシュヴィッツ生存者のおじいちゃんが
孫娘とけんかしつつも心を開いてゆくさまが
訥々とかかれていて、
ラストはほろりとしたが
挿画が惜しい!
全員亡霊のようで、
そりゃあ明るい話ではないけれども
もうちょっと何とか…

子ども、手にとりづらそ。




『田舎の事件』
        倉阪 鬼一郎著 
田舎が舞台の短編集。
最終話の「梅の小枝が」は
俳人が発狂する話で、
狂気のこんにちは20連作、
涙で視界が霞んで読めませんでした。
電車で読まなくて本当に良かった。

他にも力士の話だとか、気難しい校正家だとか
設定からどきどきさせてくれました。

人が壊れる瞬間の描写がとにかくすごい。
やけっぱち具合の異様な臨場感がたまらんでした。

家の高いところに祀っておきたい1冊。

著者いわく
「決め球は本格ホラーの直球および
ミステリとのハイブリッドのスライダー」
(あとがきより。ここから既にオカシイ)
とのことだが、かっぱの談によると
本格はアンマリだそうで、
「もぐらもあと1作か2作で倉阪卒業だねえ」
と云われた。

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